《小国杉ポップアップテーブルのはじまりのお話》



小国杉ポップアップテーブルは、熊本県と大分県の県境・小国町の杖立温泉にある、【足湯】で生まれたテーブルです。



2016年のまだまだ寒い3月のある日。あたたかい足湯に浸かって冷たいカキ氷を食べようという、【足湯カフェ】が開催されていました。



その足湯で、熊本市内から遊びに来ていた地域づくりを仕事にする人と、地元小国町の素敵な木材【小国杉】をPRする人が、たまたま偶然、隣り合わせに。「はじめまして」「どこから来られたんですか」なんて世間話が始まりました。
 

世間話が盛り上がって、小国町の素敵なところの話、そして小国杉の話に。すると、地域づくりを仕
事にしている人・宮田さんが、会わせたい人がいるといいます。


後日、2人の人物が小国町にやってきました。
大分に本社を持つ【地域科学研究所】の、西田稔彦さん。使われていない廃校などの公共不動産を活用するプロジェクト【Public+】のプロデューサーです。
もう一人、そのお仲間で、【三木佐藤アーキ】で建物や空間、モノの設計をされているデザイナー、佐藤圭さん。なんと北海道からです。


小国杉はサーモンピンク色が美しい木材と言われますが、よくみるといろいろな色があります。白っぽかったり、黄色かったり、ピンク味を帯びていたり。


時には黒っぽかったり、大きな節が合ったりと、家を建てる建材としては好まれず、はじかれている部分もある。でも、それはそれで個性的で、素敵な味があるように見えます。

 
それらすべての色、質感を生かせる使い方があるといいます。佐藤さんがデザインして作られた、端材を色とりどりのピースのように、パッチワーク状にはめ込んで作る【ポップアップテーブル】。それを小国杉で作ってみてはどうかという話に。

 
そこに加わったのが、杖立温泉が好きすぎて都会から移り住んだ、【小国町地域おこし協力隊】の山本美奈子さん(下記写真右)。小国町を、杖立温泉という場所を、元気にしたいと地域と人をつなぎ、精力的に活動しています。
 

山本さんの案内で、杖立温泉街の真ん中にあるとても素敵な古い校舎【杖立温泉会館】へ。満場一致で、ここを会場にすることにしました。

 
杖立温泉の足湯で生まれた、小国杉のテーブルが、杖立温泉を、小国町を、元気に彩るといいよね。そんな気持ちでプロジェクトは動き出します。


木材を容易してくれるのは、地元で創業60年【児玉製材】の代表、児玉裕史さん。一番最初の企画の時から、親身に、丁寧に、木材を選んで、説明してくれます。


良質な木材がたくさん眠っている工場は、お客さんたちから「宝の山」と呼ばれています。


その木材を加工し、組み立てる直前までのキットとして下ごしらえしてくれるのが、【まつのき工房】のベテラン職人、時松徳幸さん。


サイズをミリ単位で整えられる、美しいお仕事が得意です。ワークショップ当日も、参加者のサポートをしてくれます。


テーブルにオリジナルのロゴを入れたい時は、みんなの木工房【ファブラボ小国β】の田代さんが、木のピースにレーザー彫刻をしてくれます。


小国杉のレーザー加工の第一人者として十数年のノウハウを持ち、公共団体や大手企業などへ数々の納品実績がある技術者です。


こうして、一人、またひとりと、協力してくれる人が増えていきました。

5月の週末に、人を集めて、試験的にワークショップをしてみよう。日取りも決まり、それぞれが準備を進め始めたわずか2日後。

2016年4月14日、16日、熊本地震が発生。


小国町も被災地となり、状況は一変。全員の心の中にワークショップ開催の中止が浮かびました。

しかし、話し合いの上、あえて予定通り決行することに。
地震の影響で宿泊客が軒並みキャンセルとなり、人影が見えなくなった杖立温泉街に、今だからこそ活気を灯したい。傷ついた地域にも、外から来てくれるお客さんにも、元気をアピールしたいとの想いで、準備を進めました。


そして2016年5月21日、小国杉ポップアップテーブルワークショップ開催。

 
関係者だけでなく、小国杉が好きな人、木の仕事をしている人、まちづくりに関わる人、いろんな人が参加してくれました。


何をしてるの?楽しそうだねと、話を聞きつけて地元のみなさんも見に来てくれました。


杖立温泉に暮らす山本さんの声かけのおかげで、観光協会旅館のみなさんからも、たくさんの応援をいただきました。


こうして第1回目のポップアップテーブルワークショップは大成功。
SNSで発信された情報を見て、私も作りたい!次はいつあるの?こんな楽しそうなイベントあるなら教えてよ!と続々集まる反響に、みんなで驚く展開に。1回限りではなく定期的に継続していくことになりました。


その後、口コミが口コミを呼び、年に数回の開催を重ね、今までに作られた小国杉のポップアップテーブルは42台に。(2018年11月時点)



個人だけでなく、地元の小国小学校の卒業制作にも選んでいただいたり、地域の協議会のおじちゃんおばちゃんたちに作ってもらったりと、どんどん地域の風景として溶け込んでいます。



ここまで定期的に続けてこられたのは、一番は、主催側も楽しいから。
そして大事なのは、疲れないような価格設定をしているから。

ワークショップで作るポップアップテーブル1台の価格は、35,000円税込。
決して安い買い物ではありません。
しかし、この価格には理由があり、関係している全員にきちんと対価が支払われるように計算しています。
 
 
このテーブルができるまでに、山主さん、木を伐る人、運ぶ人、加工する人、作る人、デザインする人、企画する人、発信する人など、たくさんの人が関わっています。これらみんなの仕事が正当に評価されることを重視した上での価格です。


みんなのためにと価格や身を削りすぎてしまうと、結果疲れてしまって、自然と消えてしまった取り組みは少なくないと思います。取り組みを続けるための、みんなで生きていくためのこの価格です。


それを理解した上で参加してくださった、40名以上のポップアップテーブルオーナーのみなさまのおかげで、ここまで続くことができました。本当にありがとうございます。


作りたいというお声が5組ほど集まったところで、のんびりと開催予定を立てていますので、作ってみたい方は、まずはお気軽に【お問い合わせフォーム】からお声かけください。

まだ見ぬオーナーのみなさま、いつかお会いできることを楽しみにしています。